【家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。】を観た

6/1 Fri.

 

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家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。】の試写会が当たったので、観ましたという話。

 

http://tsumafuri.jp/sp/

↑映画の公式HPです。

 

わたしが観に行ったのは試写会で、公開前でしたがもう公開したので(6/9現在)ネタバレを含む感想を書きます。あしからず。

 

 

この映画の大きなテーマは【結婚はゴールではなく、はじまりである】ということ。恋愛の延長線上が結婚だというのなら、恋愛のように楽しいばかりの日々だけでなく、その先の未来をどうするのか、考えたり努力したり… そんな日々が常に待っていることを覚悟しなければいけないんだと思う(注:独身の一意見です)。

 

だからこそ、じゅんさん(安田顕)はちえさん(榮倉奈々)と再婚するときに「結婚して3年経ったら、結婚生活を続けるかどうかを話し合おう」という条件を出したんだろうし、それに対する彼女の答えを聴くのに覚悟が必要だったんだろう。

 

これまでの3年間を評価されることと同じだから。そりゃ不安になりますよね。でもちゃんとお互いに思ってることを話し合うんだ!よし…!って意気込んで家の玄関を開けたら、

 

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(出典:https://filmarks.com/movies/74222

 

これですよ。

そりゃびびりますよね。というか頭真っ白になりますよね。

 

ここからちえの死んだふりが連日続く… (じゅんさんからすれば悪夢のはじまり)

 

 

この映画にはさまざまな夫婦が出てきます。

死んだふりをするちえに困惑するじゅんの仕事仲間の佐野壮馬(大谷亮平)・由美子(野々すみ花)夫妻、上司の蒲原(浅野和之)の家族… 狭い世界ではあるけど、どれもれっきとした【家族】。

 

完璧な家族ってきっとそうたくさんはなくて、良いこともあれば辛いこともある。「お互いに本音で話さなくなったから、何を考えてるのかわからない」(佐野夫妻)・「家族にとって自分はただの金稼ぎで、旅行にさえ連れて行ってもらえない」(蒲原) …夫婦という形には正解も不正解もない。

 

ただ、そんな中にも続く理由はあるわけで。散々家族に対する不満を口にしていた蒲原も「なぜ離婚しないのか?」(じゅん)と問われると「そりゃあ、愛してるからだよ」と照れもせず真っ直ぐに答えた。

 

結果的に別々の道を歩んでいく結論を出した佐野夫婦でさえ、「最後にじっくり話せてよかった」(由美子)「夫婦生活を経て、何も言わなくても伝わることがあることを知った」(壮馬)と話している。

 

それが幸せか不幸かは周りが決めるのではない。本人たちが決めるんだ。

 

佐野夫妻の答えにちえは納得できないようであったし、悲しそうな表情で見届けていたけど、それこそが彼女の【結婚】に対する考えであり、答えにつながる理屈なんだと思う。

 

 

わたしの完全なる個人的な意見であるんですけれども、ちえは死んだふりをすることでじゅんを試していたんだと思う。そりゃはじめて死んだ(ふり)姿をみたらびっくりするし、それ相応の対応をするだろう。でも、それが何度も続くと…?

 

うんざりしたり、呆れたり、怒鳴ったりすることもあるかもしれない。もちろん、じゅんは呆れたし、どうしてこんなことを続けるんだ、もつやめてくれと懇談もした。

 

でも彼は見放すことはしなかった。

呆れつつもその世界に一緒に入っていった。それこそがこの3年間、2人が築いてきた仲なんだ。多く語らない夫婦がいるのなら、こんな夫婦がいてもおかしくない。

 

そうしてくれることをちえは知ってたから、「これが答えだよ」って彼女なりの(普通って何なのか定義がつけられないけど、明らかに変な)やり方で試してたんじゃないかな。

 

死んだふりを続けることで、じゅんさんはもっと素敵な夫さんになったし、ちえさんはもっと愛深い妻さんになった。

 

 

最後のシーン、本当に素敵だったなあ。

(ラスト、大好きすぎるので語りません。映画館で是非!)

 

 

ここからは余談になりますが、ちえは幼いときにお母さんを亡くしてしまった過去から結婚するとき、「わたしより先に死なないで」って約束するのね。その約束って、なんだか素敵だなあって思って。運命だからわかんないんだけど、それって最高のプロポーズじゃないですか。わたしも使いたい…(果たしてそんな日は来るのか)

 

 

あと、完成披露舞台挨拶で安田さんが奥さんに対して

 

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(出典: https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201805160000137.html

 

 

「残されるのは絶対に嫌」

 

って可愛すぎません…? 舞台挨拶で言ったとか愛おしすぎません…? すみません、音声を… ください… (文面だけで愛おしさ爆発しました)

 

 

余談ついでにもうひとつ。

この映画が無事、公開されてほんっとうによかったです。もし、とか、どうだったんだろう、とかそういう余計なことも脳裏をよぎらなかったかと言ったら嘘になるけど。よかったです。

 

 

もう一度観たいので、観に行きます。

散々、好き勝手に書きましたが、何も考えず、観終わったあとにほっこりできる映画です。ぜひに!